法律・制度

廃棄物処理法

「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の略称であり、廃棄物の排出抑制、再生利用、適正処理を進めることにより、生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ることを目的としています。廃棄物処理法は、昭和40年代に、経済の高度成長に伴う大量生産、大量消費、大量廃棄によるごみ問題が深刻化したことを背景として、従来の「清掃法」を全面的に改める形で、昭和45年に制定され、その時々に生じた廃棄物問題の解決のために、これまで何度も改正されています。

産業廃棄物管理票(マニフェスト)制度

産業廃棄物管理票(マニフェスト)制度は、排出事業者が、収集・運搬業者又は処分業者に委託した産業廃棄物の処理の流れを自ら把握し、不法投棄の防止等、適正な処理を確保することを目的とした制度です。 マニフェストには、電子マニフェストと紙マニフェストがあり、どちらかを選択して使用する必要があります

電子マニフェスト

電子マニフェストとは、インターネット等を利用して、電子情報化したマニフェスト情報を、排出事業者、収集・運搬業者、処分業者の3者間で、情報処理センターを介してやり取りする電子版のマニフェストの方法をいいます。 利用者は、パソコンなどを使って簡単にマニフェストの登録、報告ができ、マニフェスト情報の管理が容易となります。当センターが、廃棄物処理法に基づく唯一の情報処理センターとして、環境大臣の指定を受け、その管理・運営を行っています。

廃棄物情報の提供に関するガイドライン(WDSガイドライン)

このガイドラインは、廃棄物の処理過程における事故を未然に防止し、環境上適正な処理を確保することを目的として、排出事業者が提供すべき廃棄物の性状等の情報について具体的に解説し、排出事業者が処理業者へ産業廃棄物の処理を委託する際の廃棄物情報の提供の望ましいあり方を示すために策定されました。ガイドラインでは、排出事業者は、産業廃棄物 処理の委託に当たっては、必要な廃棄物情報を廃棄物データシート(WDS)等で具体的かつ明確に通知し、これを基に処理業者と打合せを十分に行うこととされています。さらに、廃棄物の性状等の変動を踏まえた情報提供の方法や情報の信頼性を高める方法が、示されています。

廃棄物データシート(WDS)

廃棄物データシート(WDS)は、環境省が「廃棄物情報の提供に関するガイドライン」で策定した 廃棄物情報を示すためのデータシートです。廃棄物の処理過程で発生した事故事例の検証結果等から、必要な廃棄物情報として選定した有害性等の項目を整理した廃棄物データシートの様式例が、具体的に示されています。

再生利用認定制度

再生利用認定制度は、廃棄物の減量化を推進するため、生活環境保全上の支障がない等の一定の要件に該当する再生利用に限って、環境大臣が認定する制度です。認定を受けた者については、処理業及び処理施設設置の許可を不要とする規制緩和措置が適用されます。

広域認定制度

広域認定制度は、産業廃棄物の処理を広域的に行うことによって産業廃棄物の減量、その他、その適正な処理の確保に資するものと認められる産業廃棄物の処理を促進するため、地方公共団体ごとの許可を不要とする環境大臣認定制度です。

無害化処理認定制度

無害化処理認定制度は、環境省令で定める、石綿が含まれている廃棄物や微量PCB汚染廃家電機器等の廃棄物処理を促進する目的で、高度な技術を用いた無害化処理を行い、又は行おうとする者が、環境大臣から認定を受けられる制度です。

優良産廃処理業者認定制度

通常の許可基準よりも厳しい基準をクリアした優良な産業廃棄物処理業者を、都道府県・政令市が審査して認定する制度で、平成23年4月1日より運用が開始されています。本制度は、その前身である優良性評価制度をさらに発展させたものとなっています。

廃棄物熱回収施設設置者認定制度

廃棄物熱回収施設設置者認定制度は、循環型社会の形成に寄与する目的で、廃棄物処理業者に、廃棄物焼却時の熱回収の促進をより一層促すために創設された制度です。廃棄物の焼却時に一定基準以上の熱回収を行う者は、都道府県知事等の認定を受けることができ、定期監査義務の免除等の特例を受けることができます。

PRTR(Pollutant Release and Transfer Register)制度

PRTR制度(化学物質排出移動量届出制度)とは、 有害性のある 化学物質が、どこから、どの程度、環境中へ排出されているか、あるいは廃棄物等の一部として移動しているかを把握し、集計・公表する仕組みのことをいいます。
日本では、平成11(1999)年に、「特定化学物質の環境への排出量の把握等および管理の改善の促進に関する法律」(化管法)により 制定されました。

SDS(Safety Data Sheet)制度

SDS制度とは、事業者による化学物質の適切な管理の改善を促進するため、化管法で指定された化学物質または当該化学物質を指定割合以上含有する製品を事業者間で譲渡・提供する際に、SDS(安全データシート)の提供を義務付けた仕組みのことをいいます。

環境基本法

環境基本法は、本国の環境行政の基本を定めた法律であり、環境保全について、基本理念を定め、国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにするとともに、環境基本計画、環境基準、排出基準などの環境保全に関する基本的な施策について規定されています。

循環型社会形成推進基本法

循環型社会形成推進基本法は、廃棄物やリサイクルに係る問題解決のため、「大量生産・大量消費・大量廃棄」型の経済社会から脱却し、環境への負荷が少ない「循環型社会」の形成推進を目的とした基本的な枠組みとなる法律で、「循環型社会」の概念が示されています。

資源有効利用促進法

資源有効利用促進法(資源の有効な利用の促進に関する法律)は、循環型社会を形成していくために必要な3Rの取り組みを総合的に推進するための法律です。具体的に10業種・69品目を指定して、製品の製造段階における3R対策、設計段階における3Rの配慮、分別回収のための識別表示、事業者による自主回収・リサイクルシステムの構築などが規定されています。

プラスチック資源循環法

プラスチック資源循環法(プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律)は、製品の設計からプラスチック廃棄物の処理までに関わるあらゆる主体におけるプラスチック資源循環等の取組(3R+Renewable)を促進するための法律です。
海洋プラスチックごみ問題、気候変動問題、諸外国の廃棄物輸入規制強化等への対応を契機として、国内におけるプラスチックの資源循環を一層促進する重要性が高まり、多様な物品に使用されているプラスチックに関し、包括的に資源循環体制を強化するため、令和3年6月に公布、令和4年4月に施行されました。

容器包装リサイクル法

容器包装リサイクル法(容器包装に係る分別収集および再資源化の促進に関する法律)は、消費者に分別排出、市町村に分別収集、事業者(容器の製造事業者・容器包装を用いて中身の商品を販売する事業者)に再商品化(リサイクル)するという、3者の役割分担を定めて容器包装廃棄物の削減に取り組むことなどを規定した法律です。対象となる容器包装を使用する事業者や製造業者には排出見込量等に応じたリサイクルが義務付けられています。

家電リサイクル法

家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)は、リサイクルの促進を目的に、エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の特定家庭用機器に対して、製造業者等は、自ら製造した特定機器を引き取り、リサイクルすること、小売業者は、消費者からその特定機器を引き取り、製造業者等へ引き渡しを行うこと、消費者は、そのリサイクル料金を負担することなどを規定した法律です。

建設リサイクル法

建設リサイクル法(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)は、一定規模以上の工事で生じた特定の建設資材廃棄物(コンクリート、コンクリート及び鉄から成る建設資材、木材、アスファルト・コンクリート)にリサイクルや分別などを定めた法律です。

食品リサイクル法

食品リサイクル法(食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律)は、食品の製造・加工等を行う食品関連事業者に、食品廃棄物の発生抑制と減量化を促し、食品循環資源の再生利用等を促進するために制定された法律で、食品廃棄物等の発生量が一定規模(年間100t)以上の者に対して、毎年度、食品廃棄物の発生量や再生利用状況等を主務大臣に報告することなどが定められています。

自動車リサイクル法

自動車リサイクル法(使用済自動車の再資源化等に関する法律)は、自動車製造業者等は、自らが製造又は輸入した自動車が使用済となった場合、その自動車から発生するフロン類、エアバッグ類及びシュレッダーダストを引き取ってリサイクルすること、引取業者、フロン類回収業者は、都道府県知事等の登録制で、解体業者、破砕業者等は、都道府県知事等の許可制で回収や引き渡し等の行為が可能となること、自動車所有者は、リサイクル料金を負担することなどを規定して法律です。

小型家電リサイクル法

小型家電リサイクル法(使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律)は、デジタルカメラやゲーム機等の使用済小型電子機器等の再資源化を促進するため、主務大臣による基本方針の策定及び再資源化事業計画の認定、当該認定を受けた再資源化事業計画に従って行う事業についての廃棄物処理業の許可等に関する特例等について定めた法律で、平成25年4月1日に施行されます。

環境影響評価法

環境影響評価法は、環境に大きく影響を及ぼすおそれのある事業の実施に際に、事業者自らが、その事業の環境に対する影響について、事前に調査し予測評価を行った上で、その結果を公表して地域住民等の意見を聴き十分な環境保全策を講じることなどの環境影響評価(環境アセスメント)に関する事項について定めた法律で、廃棄物最終処分場も規模に応じてその対象となっている.

放射性物質汚染対処特措法

放射性物質汚染対処特措法は、福島第一原発の事故により放出された放射性物質による環境の汚染が生じていることに鑑み、放射性物質による環境の汚染への対処に関し、国、地方公共団体、原子力事業者及び国民の責務を明らかにするとともに、国、地方公共団体、関係原子力事業者等が講ずべき措置について定めること等により、放射性物質による環境の汚染が人の健康又は生活環境に及ぼす影響を速やかに低減することを目的として制定された法律です。

産廃特措法

産廃特措法(特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法)は、特定産業廃棄物(平成9年の廃棄物処理法の改正前に不適正な処分が行われた産業廃棄物)に起因する支障の除去等を計画的かつ着実に推進するため、環境大臣が策定する基本方針等について定めるとともに、都道府県等が実施する特定支障除去等事業に関する特別の措置を講じ、国民の健康の保護及び生活環境の保全を図ることを目的とした法律です。

PCB特別措置法

PCB特別措置法(ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法)は、PCB廃棄物の保管、処分等に必要な規制等を行うとともに、処理に必要な体制を速やかに整備することを目的とした法律で、事業者はPCB廃棄物の保管等を適正に行い、その状況を都道府県知事等に報告することを規定しています。

欠格要件

欠格要件とは、廃棄物処理業の許可申請者の一般的適性について、法に従った適正な業を遂行することが期待できない者を類型化し、排除することを趣旨とした廃棄物処理法の規定内容の括り用語です。同法では、業の遂行の適性を欠く、すなわち欠格要件に該当する者として、破産者、暴力団員等、禁固以上の受刑者等を規定しています。
詳細については、廃棄物処理法の第14条第5項(産業廃棄物処理業関係)を参照ください。

バーゼル条約

有害廃棄物の国境を越える移動に関する国際的なルールで、 平成4 年(1992年)5月に発効しました。日本では、この条約に対応するため、特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律(バーゼル法)が制定され、同年12月16日に公布されています。

環境基準

環境基準は、環境基本法に規定される、人の健康を保護し、生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準として、終局的に、大気、水、土壌、騒音をどの程度に保つことを目標に施策を実施していくのかという目標を定めたものです。

排出基準

排出基準は、環境基準を達成するために、個々の排出者が遵守すべき基準として定めたものです。排出源の種類ごとに許容される汚染物質の排出限度を排出基準として定めており、これを守らない場合には、罰則が適用されます。

生活環境影響調査

生活環境影響調査は、廃棄物処理法に定められた廃棄物処理施設の設置許可申請時に必要な調査で、申請時には、その施設設置に対して周辺地域の生活環境に及ぼす影響に関する調査を行い、その調査結果を記載した生活環境影響調査書の提出が義務付けられています。

環境影響評価(環境アセスメント)

環境影響評価は、環境影響評価法に定められた一定規模以上の施設を建設する際に必要な調査で、廃棄物最終処分場も規模に応じてその対象となっている。事業者は、その事業の環境に対する影響について、事前に調査し予測評価を行った上で、その結果を公表して地域住民等の意見を聴き十分な環境保全策を講じることなどの環境影響評価が義務付けられています。

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