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学ぼう産廃

産廃知識 産業廃棄物の輸出入

産業廃棄物の輸出入については、有害廃棄物の越境移動に関する国際的な条約である、バーゼル条約(有害廃棄物の国境を越える移動およびその処分の規制に関するバーゼル条約)の国内法と廃棄物処理法の2法に従って、適正に対応する必要があります。
バーゼル条約は、廃棄物等の国際的な移動に伴う汚染問題に対処するため、廃棄物の処分・回収に係る国際的な枠組みで、1992年5月に発効されました。日本は1993年に同条約に加入し、その対応のための国内法としてバーゼル法(特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律)を施行しています。
また、危険物の国際的な移動については、国連モデル規則(危険物の輸送に関する勧告-モデル規則)があり、船舶輸送についてはIMO(国際海事機構)が同モデル規則に基づいて「国際海上危険物規程(IMDGコード)」を策定、勧告しています。日本においても、IMDGコードに基づいて「危険物船舶運送および貯蔵規則(危規則)」が改正、施行されています。よって、国家間移動される廃棄物が危険物に該当する場合には、危規則を遵守し、容器および包装、標札・表示等を行うことが求められています。

1.バーゼル法

バーゼル法に定める特定有害廃棄物等を輸出入する場合は、外国為替および外国貿易法(外為法)に基づく輸出入承認が必要となっており、その承認に先立ち、「必要に応じ、環境大臣は、環境保全上支障がない旨の確認を行い、経済産業大臣に通知する」こととなっています。

(1) 特定有害廃棄物等の定義

バーゼル法に規定する「特定有害廃棄物等」は、告示「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律第2条第1項第1号イに規定する物」により定められています(図1)。

図1 有害廃棄物等の考え方
図1 有害廃棄物等の考え方
出典: 廃棄物等の越境移動規制に 関する資料集(環境省)、P27

バーゼル法上の廃棄物は、その『有害性』が判断の基準であり、たとえそれが有価物であったとしても、図1の有害廃棄物等の考え方において規制対象となれば、特定有害廃棄物等となります。 廃棄物の輸出入に当たってのバーゼル法と廃棄物処理法の規制の関係を、『有害性』と『取引価格』を指標として概念的に示したのが図2です。廃棄物輸出入に当たっては、その規制の適用概念に留意し、必要な手続きを行うことが求められます。

図2 廃棄物の輸出入に関する規制の適用概念
図2 廃棄物の輸出入に関する規制の適用概念

なお、バーゼル条約に規定される処分作業(再生・回収作業)を行うために、OECD加盟国間で輸出入が行われる場合、その輸出入物が規制対象物であるかどうかの判断は、「OECD理事会決定」に基づき、わが国が規制を行うことが必要な物を定める環境省令「経済協力開発機構の回収作業が行われる廃棄物の国境を越える移動の規制に関する理事会決定に基づき我が国が規制を行うことが必要な物を定める省令」に基づき行われます。

(2) 特定有害廃棄物等の輸出に係る手続き

一般的に、物品を輸出する場合、関税法に基づいた手続きが必要です。その際、他の法令の規定により、輸出に関し、許認可等を必要とするものは、その許認可等を受けていることを税関に証明する必要があります。バーゼル法では、輸出しようとする廃棄物が、特定有害廃棄物等に該当する場合は、外為法に基づき、経済産業大臣に輸出の申請を行い、その承認を受けることが義務づけられています(図3)。
輸出に係る有害廃棄物等の処分に伴い生ずる恐れのある環境汚染を防止するため、特に必要があるものについては、経済産業大臣の承認に先立ち、特定有害廃棄物等の処分について環境汚染防止するための必要な措置が講じられているか、環境大臣が確認を行うこととなっています。環境大臣は、輸入国および締約国または加盟国である通過国の権限ある当局に対し、当該特定有害廃棄物等の輸出について書面による通告を行い、これら輸入国等からの書面による回答を受領し、当該回答を経済産業大臣に送付することとなっています。輸入国等からの同意の回答が得られなければ、承認を受けることはできません。
これらの手続きが完了し、実際の輸出を行うに当たっては、関税法に基づき、税関長から輸出の許可を受けることとなっています。その際、税関は貨物の申請内容(廃棄物の場合、外為法の許可書を含む)を審査し、必要があれば現物審査が行われます。

図3 特定有害廃棄物等を輸出する場合の手続き
図3 特定有害廃棄物等を輸出する場合の手続き
出典:廃棄物等の越境移動規制に関する資料集(環境省)、P28

特定有害廃棄物等の運搬者は、経済産業大臣から輸出の承認を受けた者へ交付される「輸出移動書類」に必要な事項の記載・署名を行い、またその運搬を行う場合には、当該輸出移動書類を携帯し、そこに記載された内容に従って、環境保全上適正な方法で行うことが義務付けられています。
輸入国の処分業者が、日本から輸出された特定有害廃棄物等の引渡しを受けた時、あるいは当該特定有害廃棄物等の処分を行った時は、バーゼル条約に基づき輸入国における処分業者から、受け取った旨、処分を行った旨の通知が、日本の輸出者および日本の環境省に行われることとなっています。
なお、バーゼル条約では、条約締結国は特定有害廃棄物等を非締結国へ輸出または輸入することを許可しないこととしています。

(3) 特定有害廃棄物等の輸入の手続き

特定有害廃棄物等の輸入の手続きは、外為法に基づき輸入者が必要な手続きを行うことになります。その承認に際して、環境大臣は、必要がある場合には、経済産業大臣に対し意見を述べることができるとされています。

2.廃棄物処理法

廃棄物処理法上の廃棄物を輸出入する場合は、外為法に基づく輸出入承認に当り、環境大臣から、輸出確認、または輸入許可を、事前に受けることが必要です(法第10条、法第15条の4の5)。
また、輸入または輸出した廃棄物の処分完了後、その完了を環境大臣に報告することが義務付けられています(規則第12条の12の21、規則第12条の12の26)。

(1) 廃棄物の輸出

廃棄物の輸出については、「国内において生じた廃棄物は、なるべく国内において適正に処理されなければならない」とする国内処理原則が掲げられています。環境大臣の確認要件は、以下のとおりです。

  1. 1)国内における当該廃棄物の処理に関する設備および技術に照らし、適正な国内処理が困難であること、または輸出の相手国において再生利用されることが確実であること。
  2. 2)国内の処理基準を下回らない方法で処理されることが確実であること。
  3. 3)申請者が法的な処理責任を持った者(一般廃棄物:市町村、産業廃棄物:排出事業者等)であること。

(2) 廃棄物の輸入

廃棄物輸入許可を受けるための要件は、以下のとおりです。

  1. 1)国外廃棄物が、国内において、その処理に関する設備および技術に照らし、適正に処理されると認められるものであること。
  2. 2)申請者が、その国外廃棄物を自ら、または他人に委託して適正に処理することができると認められること。
  3. 3)申請者が、その国外廃棄物の処分を他人に委託して行う場合には、当該廃棄物を国内で処分する相当の理由があると認められること。